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HOME > 院長のひとり言 > アーカイブ > 2018年6月 > 2ページ目

院長のひとり言 2018年6月 2ページ目

卵子は熱に弱い!?

卵子は熱に弱い!?



卵子は熱に弱いとか、高温になってしまうと受精卵が弱ってしまうという噂があるようですね。

しかし、これは医学的な根拠がない話です。

妊活あるある、都市伝説的な話ですね。

確かに卵子や受精卵に関わるタンパク質が高温になると変性する事は事実です。

人の場合、42℃以上で熱変性が始まるといわれています。

とはいえ、その機能を超えて体温が上がってしまえば卵子どうこうの前に人は生きていけません。

そもそも人の体温はある程度一定に保つ機能が備わっています。

体温を維持する中枢は間脳の視床下部にあり、外気温や血流温度に合わせて体温を調節しています。

例えば、外気温が高い場合、視床下部の温熱中枢を刺激し、体温調節中枢の設定温度を低くして体熱の放散を図ります。

運動をしたときや真夏日に汗をかくのは、発汗によって体熱を放散させようとするためですよね。

逆に外気温や血流温度が低いと、視床下部の冷中枢を刺激して体温調節中枢の設定温度を高くして熱の放散を抑制するんです。

寒いと体がガタガタふるえるのは筋肉を動かすことによって体熱を生産し、体温を上げようとするためなんです。

人間は恒温動物であり、極端な外気の温度や水温に長時間さらされなければ直接体温に影響することは無いんです。

例えば、温泉などに行けば42度のお風呂に入ることは良くあるし、80度近いサウナにはいることもありますよね。

けれど、その熱で卵子が弱ってしまう事はありません。

移植後に熱いお風呂を避けるように注意されることがありますが、これは受精卵が熱に弱いからではなく、熱いお風呂に入れば発汗が促され、母体の体力を消耗しすぎる心配があるためです。

また、胚移植を行う際は子宮の入り口などに傷ができることがあり、湯船に浸かることでその傷口から雑菌などが入り、何らかの感染症にかかってしまう恐れがあるので避けるように注意してるって事なんですよ。

運動のし過ぎなどで体温が上がりすぎると受精しにくいという話も聞きますが、それは体力の消耗や肉体的ストレスが強すぎる事が要因です。

何事も無理のない負担になり過ぎない範囲が必要という事です。

参考になれば嬉しいです。







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ストレスがホルモンバランスを乱す理由

ストレスがホルモンバランスを乱す理由



不妊治療、妊活中のストレス発散は本当に大切。

実は不妊の原因のその原因もストレスが関係しているんです。

ストレスが多いとホルモンバランスが乱れる事は皆さんはご存知だと思います。

ストレスによって女性ホルモンの分泌量って減ってしまうんですが、これには副腎疲労というものが関係しています。

人はストレスに長期間さらされると脳がストレスに対応するために副腎と呼ばれる機関にホルモンを要求します。

長期間ストレスにさらされ続けると副腎はホルモンを造り続け、やがて副腎疲労症候群に陥ってしまいます。

実はこの副腎疲労症候群に陥る前の段階では副腎で大量のホルモンを作らなくてはならない為、いつも以上にホルモンになる材料が副腎へと運ばれていきます。

このホルモンの材料は肝臓が合成するコレステロールです。

ここで押さえておいて欲しいポイント。

副腎皮質で造られるコルチゾール、卵巣で造られるプロゲステロン(黄体ホルモン)、エストロゲン(卵胞ホルモン)も、元の材料は肝臓が作るコレステロールだという事。

肝臓が造るコレステロールは副腎と卵巣で分けあっているんです。

このコレステロールから作られるホルモンの事をステロイドホルモンと言います。

ステロイドホルモンは副腎皮質ホルモンや男女の性腺ホルモンです。

副腎皮質で作られるコルチゾールはストレス対応ホルモンであり、また炎症や痛みを抑制したり、血糖値をコントロールしたりします。

ただ、ストレスが続くとこのコルチゾールや他の副腎皮質ホルモンが造られすぎてしまいます。

ストレス過多になっている時は、ホルモンの材料であるコレステロールを副腎が奪い取ってしまっているんです。

その結果、卵巣にいくコレステロール量が少なくなってしまうという事なんです。

これが副腎皮質ホルモンが女性ホルモン分泌を抑えてしまうという結果につながります。

材料を奪われた卵巣は質・濃度とも低下したプロゲステロンを合成してしまいます。

プロゲステロンの質・濃度が低下してしまうことにより生理不順や生理前症候群などのホルモンバランスが乱れた症状が表れます。

また、女性ホルモン分泌に関わる器官は卵巣以外にも視床下部、脳下垂体があるんです。

視床下部は血液と一緒に巡っている女性ホルモンの量をチェックしています。

視床下部が女性ホルモンを必要と判断すると、性腺刺激ホルモン放出ホルモンが分泌されて脳下垂体が刺激されます。

女性ホルモン分泌の大元視床下部はストレスの影響を非常に大きく受ける機関です。

ストレスの影響が強いと女性ホルモンの正常な分泌コントロールに悪影響を及ぼします。

材料不足とコントロール不足の二重苦ですね。

一番大切で一番難しいのはストレスを溜めないことですが、妊活や不妊治療を仕事、家事や育児、親の介護など不妊の原因になる原因、ストレスに目を向ける事も必要です。

妊活中でも楽しむ事をしてますか?

不妊治療で頭がいっぱいになり過ぎていませんか?

ストレスは必ずかかるものです。

しかし、発散させる方法を知っていればストレスがかかり過ぎる事も減ってきます。

妊活、不妊治療がストレスにならないように、好きな事もしっかりやってみてくださいね。

参考になれば嬉しいです。


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不妊治療を始めてからの不調〜hCG注射編〜

不妊治療を始めてからの不調〜hCG注射編〜



不妊治療を始める前は正常だった基礎体温や多少数値が安定しなかった程度のホルモンバランス。

不妊治療をはじめてから基礎体温表がガタガタになったり、血液検査の結果が乱れてきて注射の回数が増えていくなんて事はありませんか?

卵をつくる、育てる力は本来、皆さんが持っている自己治癒力、妊孕性です。

大切なのはその力を最大限に発揮する環境作り、体作りになります。

それにちょこっと背中を後押ししてあげるのが高度生殖補助医療になるんです。

けれど、それを知らずに不妊治療を初めてしまうと不必要にホルモン治療をしてしまったりします。

結果的に生理周期が短くなったり長くなったりしてしまう事があるんです。

実際に薬の影響なのか、それともストレスなのか、他にも原因があるのか、ドクターに聞いてもイマイチ納得できる回答が得られない場合も多いんですよね。

排卵誘発剤の中でも特にhMG注射の長期使用や必要以上の量を使用した高刺激法の場合、卵巣機能が低下し、結果的にホルモンバランスが乱れることがあります。

卵巣機能が低下するとFSH(卵胞刺激ホルモン)の値が高くなりやすく、卵胞が育ちにくくなってしまいます。

本来、排卵はLHというホルモンの急上昇によって起こります。

ただ、LHというホルモンは人工での合成が難しく、代替としてhCGが使われるんです。

本来のLHの効果は一瞬で、実際に分泌されている時間は30分程とも言われています。

しかし、hCGの効果って体に残ってなかなか消えないんですよね。

その為、体の中にhCGが長く留まり、妊娠した場合の着床過程に影響を及ぼす事も多いんです。

また妊娠しなかった場合、その効果は次周期以降の月経周期にも影響してしまいます。

hCG投与の翌周期には遺残卵胞と呼ばれる少し大きめのホルモン産生嚢腫ができてくることが多くあります。

この遺残卵胞の影響は次に良好な卵子を育てることができなかったり、排卵しないだけでなく、黄体機能も不十分になってしまうので高温期を維持することができなくなくて、すぐに生理がきてしまうんです。

そして、排卵誘発剤の最大のデメリットとも言える事が卵巣過剰刺激症候群という副作用です。

卵巣過剰刺激症候群が起きると卵胞が育ちすぎて卵巣が腫れてしまいます。

重症化すると腹水が溜まったり血液が濃縮したりして危険な状態に陥ることもあるので注意が必要です。

卵巣の中に卵胞がたくさんある人に起きる現象なんですが、特に20代の若い女性、多嚢胞性卵胞の人、AMHの値が高かった人は症状がでやすい傾向にあります。

対策としては、卵巣過剰刺激症候群が起きやすい薬hCG注射を避けたり、薬の量が多いロング法という方法は避けることが有効かもしれません。

本来、妊娠したくて不妊治療を受けていたのに、それが元で卵が育たなくなったり、卵巣が疲れてしまうという負の連鎖になることもあります。

排卵誘発剤の間違った使用は卵巣機能が弱まり、排卵誘発剤なしでは自力で卵胞が育たない、または薬を使っても卵胞が育たなくしまう事も不妊治療を始める前に知っておくと良いですね。

参考になれば嬉しいです。




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