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院長のひとり言

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妊活をしてても、冷え性ですか?

妊活をしてても、冷え性ですか?



妊娠しやすい体作りには骨盤内は勿論の事、全身の血流改善は大切な要素。

質の良い卵子を育てる為、着床しやすい子宮内膜を作る為にも骨盤内血流の改善は大切になりますし、エネルギーを効率よく働かせる為には抹消血管にまで血液を行き渡らせる事が重要です。

冷え性になりやすい女性の多くはミトコンドリアの働きが落ちている事も要因の1つなんです。

人は寒い時は体内の熱を逃がさないように末梢の血管を収縮させ、さらに骨格筋を収縮させて熱を産生します。

逆に暑い時は血管を拡張させて血流を増やし、汗をかいてその気化熱によって体を冷やして体温調節を行っています。

とは言え、基本的な体温は主にミトコンドリアで作られるエネルギーが賄っています。

ミトコンドリアは低糖質、高酸素、高体温の環境化で働きが活性化するという性質を持っています。

このミトコンドリアが働きやすい環境作りが卵子の質の向上、妊活の醍醐味とも言えるかもしれません。

そもそもミトコンドリアは細胞内小器官であり、体内のエネルギー産生工場です。

体のエネルギーはATP(アデノシン三リン酸)と呼ばれ、主に細胞中のエネルギー産生工場であるミトコンドリアで、赤血球によって運ばれてきた酸素と食事によって得られた電子から作られます。

酸素を燃やして行うこのようなエネルギー産生を好気的エネルギー代謝と呼びます。

こうして作られたATPの半分以上が、体温を維持するのに使われているのです。

また、卵子の栄養供給にもこのミトコンドリアエンジンからのエネルギー供給が欠かせません。

ですから、血流が悪くなって酸素の運搬が滞り、エネルギー代謝が下がってATPが不足すると、体温の低下はもちろんのこと、卵子の質の低下を招くことになるんです。

冷え性のもう1つの要素は血流の低下。

体温は血流によって調整されていますから、血の巡りが滞っていたりすれば、体温も下がってしまいます。

血流を悪くする要因は姿勢の悪さ、体の歪み、食生活などと数多くありますが、これらの要因で各細胞に送られる栄養素や酸素量が少なくなってしまえば卵巣や子宮の働きにも影響してきてしまいますよね。

血流は自律神経の2系統(交感神経と副交感神経)によって血管を収縮させたり拡張させたりすることで調節されていますから、自律神経の偏りが結果として体温低下を招いているといもいえるんです。

また、加齢や食生活の乱れ、過度の酸化ストレス等から、エネルギー産生に必須の補酵素やミトコンドリアへ栄養を運ぶのに必要なビタミンB群が不足しても、エネルギー産生回路はうまく回らなくなります。

体温が下がると、心臓や脳など核心部の体温を維持しようとして、末梢の血管は熱を逃がさないように収縮してしまい、手足の冷えや下半身の冷え、あるいは内臓の冷えを意識するようになります。

これが冷え性の始まりとも言えますね。

この状態が長期に渡ってしまうと血流はますます悪くなり、こうしてエネルギー代謝不全の悪循環に陥っていくのです。

冷え性をより悪化させる要因にはストレス過多もあるんです。

ストレスには暑さ、寒さなどの物理的ストレス、騒音などの環境的ストレス、ウイルスや花粉等の生物的ストレスといった身体的ストレスに加え、社会的環境下でのいじめや心理的な恐怖体験等の精神的ストレスがあり、社会生活を送る上でストレスをまったく受けずに生きることは不可能です。

ストレスの種類に関わらず、ストレスを受けると自律神経のうちの交感神経が刺激されます。

交感神経は怒りや恐怖、心配、緊張、あるいは活動時に働く神経で交感神経優位な状態が長時間続くと、アドレナリンの分泌により血管収縮が持続して血液の流れが悪くなります。

すると、組織へ十分な酸素を運搬することができなくなり、ミトコンドリアでのエネルギー産生が低下して、体温が下がってきます。

長時間の交感神経優位状態は夜の眠りを浅くしてしまったりもします。

では、副交感神経優位な状態を維持しておけばよいかというと、決してそういうわけでもないんです。

副交感神経は食事や睡眠に関わるリラックスモードの神経ですが、副交感神経優位な状態が長く続きすぎてしまえば、今度は血管は拡張しっぱなしになるため、いずれ血流が緩慢になり、やはりエネルギー産生に影響を及ぼして体温は下がってきてしまうんです。

自律神経は環境の変化に応じて、必要な時に必要な神経が働く事が大切で、どちらに偏りがあっても冷えを招くことになります。

冷え性を改善する為には1つのことだけでは難しいのですが、体質改善をしっかりと進めていけば良い方向に体は変わっていきますよ。

妊活がうまく進んでいない人はもう一度、ご自身の習慣を見直す事が必要かもしれません。


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