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HOME > 院長のひとり言 > 透明帯の厚みと卵の質には関係があるの?
院長のひとり言
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透明帯の厚みと卵の質には関係があるの?
透明帯とは?
採卵をした事がある人なら聞き覚えがあると思う透明帯。
透明帯とは、卵細胞の周辺を取り囲む構造物で、卵細胞を物理的に保護する役割を担っています。
鶏卵で言うと白身に当たる部分です。
黄身に当たるのが実質と呼ばれる部分。
透明帯は3種類の糖タンパクから形成されていて、受精の際、分割や着床にも大切になる部分なんです。
透明帯の働きは?
その1.
受精時に精子が卵子内に侵入すると透明帯を構成するたんぱく質が変性し、硬くなること(透明帯反応)で多精子受精を防止する。
簡単にいうと精子が鍵、透明帯が鍵穴のようなイメージですね。
鍵穴が合わなければ鍵が開かないのと同じで、ヒトはヒトの精子と卵子でしか受精する事はありません。
つまり透明帯には、異種間の受精や異常受精を防ぐための機構が備わっているんです。
その2.
受精、分割した初期胚はそれぞれの結合が弱く、バラバラになりやすいため、1つ1つの細胞(割球)がバラバラにならないようにまとめる役割を果たしています。
例えば排卵後2日の受精卵の胚は4細胞などの分割胚の状態にあります。
この時期は1つ1つの細胞がくっつていないため、透明帯がないと細胞と細胞が離れ離れになってしまいます。
透明帯は細胞がばらばらにならないように囲ってくれているのです。
その3.
受精後着床の場である子宮まで移動する際に、卵管の壁への付着を防止しています。
受精卵は卵管の中で精子とあって受精しますが、この際に子宮外での妊娠にならないようにしてくれているのも透明帯働き。
この時期までは透明帯がしっかりとしている事が大事という事なんですよ。
透明帯が硬くなるとどうなるの?
透明帯が硬化していた場合、まずは受精しづらいという問題が出てきます。
精子が進入しづらくなってしまい、例え精子が進入できても結合力も弱まってしまう事もあるんです。
また、通常の胚盤胞まで育った受精卵であれば、胚自身の力や酵素の力などで自然と殻が破れるのですが、元々殻が分厚かったり硬かったりして破れにくいことがあります。
子宮に着床する際には胚は透明帯を破り孵化(ハッチング)する必要があるんですが、その為、うまく孵化が起こらず着床できない受精卵もあるんです。
凍結をした場合も透明帯は硬くなる傾向にあるんです。
このような場合、体外受精の際はガラスの細い針で透明帯に切り込みをいれたり、レーザーの熱で透明帯の一部を薄くしてハッチングの手助けをしてあげますが、これをアシステッドハッチングと呼んでいます。
胚盤胞に成長した胚の透明帯をすべて取り除いてあげて移植する方法もあり、アシステッドハッチングを行った胚よりも、妊娠しやすくなるという報告もあります。
体外受精の場合、培養士の技術力、病院の設備力も大切だと言うことなんです。
透明帯が厚くなるのはなぜ?
そもそも透明帯が厚くなるのはなぜか。
未受精卵では加齢は透明帯厚に影響を与えないと言われています。
しかし、前核期胚以降では、30歳を境に透明帯厚が有意に厚くなり、40歳前半に比較して40才以降の症例では細胞期胚以降、40
歳を境に透明帯厚が厚くなる可能性があると言われています。
これは卵子の栄養不足が原因だと考えられ、
栄養が足りないと実質を保護しようとして透明体が厚くなりやすいと考えられるんです。
透明帯の質を上げる為には?
透明帯の質を上げる、これは卵子全体の質を上げるということです。
透明帯の厚みは卵子の栄養不足。
卵子の質の改善の為には食生活や生活習慣を整えることが大切。
すっきり目が覚めるぐらい寝てますか?
過不足なくバランスよく色々なものを食べてますか?
筋肉を落とさない為の運動はしていますか?
体質を改善し、卵子の質を高める体づくりをしていきたいですね。
(ホリスティック鍼灸サロン Wiz) 2018年12月17日 08:12