院長のひとり言

受精、妊娠維持に大切な中医学的視点

鍼灸の施術を受ける事で妊娠率が上がるのはなぜか(不妊専門とうたっていても知識、技術、考え方の差はかなり大きいのですが…)。

そこは置いておいて。

体質改善、妊活に鍼灸を取り入れて欲しいと本当に思います。

今回はその理由を中医学的に受精維持、元気な赤ちゃんが育つにはどうしたらよいかと言う点から考えてみたいと思います。

中医学では胎児を維持することを「安胎(あんたい)」といいます。

五臓でいえば主に「腎」が深く関わってきます。

例えば黄体機能不全の方の多くはホルモン分泌が少なく、中医学では、これを「腎虚」と捉えることができるんです。

腎虚と判断した場合、腎虚にみられる自覚症状や他覚的所見が改善していくかどうかで体調をみていきます。

これらが改善していくことで妊娠継続できる状態と判断していくわけです。

勿論、すべての人が腎虚というわけでもなく、腎虚だから不妊になっているという事ではありませんよ。

もともとの要因として腎虚体質という方もいますが、多くは生活習慣で徐々に蓄積されていったストレスや不摂生が生む“気の歪み”と捉える事ができるんです。

この継続的な要因によって体質が悪くなり、生命として維持していく力が弱くなっている、いわゆる細胞の劣化におちいると考えています。

この為、卵を作る過程においてなかなか質の良い卵を作る事ができないと言えるんです。

良い受精卵もできにくい

着床しにくい

妊娠を維持しにくい

と言うことに繋がります。

また、妊娠や出産などが直接「腎」と深く関わりますので「腎虚」ではやはり妊娠を維持しにくいと言えます。

次に「血(けつ)」も妊娠維持に関わってきます。

血は解剖学的な「血液」とは多少異なり、もっと広い範囲の意味を持っています。

身体の潤いや栄養である「血」は妊娠において「養胎(ようたい)」として働きます。

胎児を養うという意味です。

元気な赤ちゃんが育つにはなんといっても栄養が必要ですし、この栄養は卵を作る時の栄養でもありますので「血」は非常に大事なんです。

「気」もまた妊娠には欠かせないものとなっています。

「気」は体のエネルギーと考えてもらうといいかと思います。

この「気」には「固摂(こせつ)」といって「気」や「血」などが身体の外に漏れ出ないように保つ働きがあります。

漏れでないという意味では流産にならないと言い換えられるので、胎児を維持することにも必要となりますね。

この固摂作用が弱い方は「気虚(ききょ)」と考えるので、やはり妊娠を維持することが難しくなってくるんです。

腎を整え、気血を巡らせる事が出産には必要という事になりますね。

勿論、それ以外にも人によって様々な状態があります。

その人に合わせた根本的な施術を行うからこそ中医学、鍼灸が妊娠率を上げる手伝いができると考えています。

是非参考にしてもらえると嬉しいです。



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