院長のひとり言

卵管回帰説と造影検査

卵管回帰説と造影検査



卵管回帰説って聞いたことありますか?

体外受精で子宮に移植された初期胚は一旦卵管へ入って卵管内で分割して胚盤胞になり、その後再度子宮へ戻り着床する。

という説です。

それを踏まえた上で初期胚の移植の際に卵管造影検査をする事があるのですが、これは何故か。

実は分割胚って子宮環境には適さないといわれています。

分割胚は卵管で成長し、子宮に戻る時には胚盤胞になって着床する。

もし、卵管が詰まっていたら初期胚で移植せずに胚盤胞移植になるんです。

これは卵管回帰説というものを元にしている考え方になります。

通常、卵子と精子は卵管の膨大部という卵巣に近い部分で出会い、受精後は細胞分裂を繰り返しながら卵管から子宮へと移動し、子宮内で胚盤胞に到達します。

つまり、胚盤胞になるまでの2分割から桑実胚までは卵管内で行われているんです。

よって、初期胚を子宮に移植しても本来の場所である卵管に戻って分割するのではという考えが出てきたという事なんです。

だから初期胚移植の際の卵管造影検査って病院の方針によるんですよね。

やり方としては培養液を少し多めに入れ、水圧で卵管まで到達させようとするんです。

しかし結論を言えば、この説が正しいかどうかは現時点でははっきりしていないんですよね。

実際、卵が逆流するかはわならないし、今は
卵管回帰説は否定されていたりもするんです。

胚盤胞まで育てるべきかの判断材料とする為に卵管の検査をする事があったりもしますので、この場合は通水検査ぐらいならやってもいいと思いますよ。

詰まっていたら胚盤胞移植で!という判断もできますからね。

参考になれば嬉しいです!


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