院長のひとり言

不妊治療と社会背景

不妊治療と社会背景



不妊治療が増えた事には社会背景もありますよね。

今日の国会答弁でも不妊退職、不妊治療での休暇の取り方などに関する質疑がありました。

現実的に仕事をしながらの不妊治療は大変。

職場の理解を得られるかどうかもありますし、周りに知られたくないというプライバシーの問題もある。

政府が取り組んでいるはずの女性の働き方改革、一億総活躍。

構造的な問題である少子高齢化に真正面から挑み、「希望を生み出す強い経済」、「夢をつむぐ子育て支援」、「安心につながる社会保障」の「新・三本の矢」の実現を目的とする「一億総活躍社会」の実現。

時代の流れはあるものの、女性の社会進出、女性の社会的立場が確立していなかった時代には女性は20代前半で結婚し、家庭に入り、特に意識せずとも自然に妊娠し、子育てをするという時代でした。

ところが、現代では女性も仕事を持ち、共働きの家庭も増えています。

現代社会の家族のありかたも多様で、従来の家族制度とは違う価値観が生まれていることが、不妊と関係していると考えられます。

その1つが現代の女性は、母・妻以外の個としての生きかたの選択肢が増えたと言えますよね。

未婚の方でもキャリアを積み重ねら稼ぎも増え、結婚や妊娠が自分の人生の妨げになると考える人も増えてきました。

ところが、40代を目前に控え、自分のこれからの人生を考え直し、本当に結婚しなくていいの?

子どもを産まないの?

という本能的な欲求と向き合い、初めて婚活や妊活を始める人が多くなってきています。

子供を望んでいても産めていないで悩んでいる人も多いですよね。

これは卵子の老化の問題、もっと言えば老化を加速させている劣化の問題が大きいんです。

生活環境の変化から卵子の質を落としてしまっていた為に産みたいと思った時には体が準備不足になっているんです。

また、不妊治療の長期化の背景に一部の医療機関の利益を優先する姿勢があるとも言われています。

“不妊治療は医療というより商業的だ”

“安易な体外受精が行われている”

勿論、全てではないですし、全力で不妊と向かい合っている病院もあります。

しかし、高度生殖医療が進化するにつれ、子どもは「授かるもの」から「つくるもの」へと意識は変わっているようにも感じます。

そのため、子どもの誕生をコントロールする→晩婚化というライフイベントの先送りが多く見られるようになりました。

ただし子どもを「つくる」ことは、まだまだ自然には勝らないのが現状ですからね。

女性が女性としての役割を担う為にも自分の身体、卵子と向き合い、授かる体作りを目指してもらいたいと思います。

不妊治療を受ける前にまずは体質を変えるという事を頭に入れておいて下さいね。




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