院長のひとり言

鍼は不妊症状に有効か

鍼は不妊症状に有効か



鍼は不妊症状に有効か。

鍼は本当はどのように作用するのか?


気になりますよね。

鍼や中医学と聞くと、気とか邪とかの言葉を使うからスピリチュアルに感じたり、まじないや宗教や魔法などと思われる人も多いのかもしれません。

しかし、実際に体に起こっている変化って解剖学、生理学に基づく物理現象と言えるんです。

鍼治療で行っていることって、私たちの体の各細胞に栄養を供給する血管系、神経系、免疫系、内分泌系などを通じて、酸素、栄養素、血液の循環、ホルモンバランスや自律神経を調整することで体の本来持っている機能を取り戻す環境作りをする事と言えます。

例えば、体の不調、疾患の第1の原因は血流の停滞(体内で低下した血液循環)なんです。

いわゆる瘀血というものですね。

体のどこの部位においても血液循環に異常があった場合には、その部位は正常に機能することができなくなります。

正常な血液循環なくして、体は自己治癒を行うことができません。

これは卵子の成熟にも言える事なんです。

鍼は疼痛を軽減し、組織の機能を向上させ、老化を予防する為に血管を拡張させて、体の特定の部位に対する血液循環を向上させる事ができます。

勿論、未妊の状態は瘀血だけが原因ではありませんから、自立神経系を刺激することにより、皮膚から脊椎、脳内へと伝達される侵害受容器、知覚神経、自己受容体線維と言うものを活性化することによってもホルモンバランスや自然治癒力を向上させていきます。

ここまで難しい言葉が色々でてきていますが、要は健康に影響を及ぼす主要な5つの要因を治療することによって鍼は効果を発揮するということです。

それが、

1. 体内の酸素の流れ(気)
2. 体内の血液循環(血)
3. 血管の健康状態(血脈)
4. 臓器の健康状態(臓腑)
5. 神経系の健康状態(経脈)

これらを鍼の刺激、経穴の力によって体の自己治癒力をリカバリーしているのです。

卵子の成熟にはこれらの全てが滞りなく働いている事が必要。

排卵因子、卵管因子に男性不因子など、不妊症の3大原因と言われるものはありますよ。

多嚢胞性卵巣、チョコレート嚢腫、卵巣機能不全、子宮筋腫、子宮内膜症、高プロラクチン血症、甲状腺機能疾患などなどの疾患もあると思います。

けれど、卵巣だけみたり、子宮だけをみたり、またホルモンの数値を合わせるだけしてもそれはその場しのぎでしかありません。

僕が鍼治療をする時はこれら今出ている症状も対処していきますが、その状態になった根本的な体質や要因も探していくんです。

もし、あなたが未妊の状態、妊娠の準備が出来ていない体であるなら、鍼治療って凄く助けになると思っています。

けれど、ここで勘違いして欲しくないのが、鍼治療はあくまでも環境作りであって、その環境を活かすのも殺すのも皆さん次第だという事。

どんだけ、優秀な家庭教師を付けたとしても、本人が勉強をしなければ試験は受かりませんよね。

それこそ宝の持ち腐れ。

鍼によって自然治癒力を上げた状態で、ご自身での体質改善を行うからこそ、質の高い卵子を育てる事ができると思っています。

妊活の1つの選択肢として鍼治療を、そして是非、近くの認定講師を訪ねてみて下さい。


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