院長のひとり言

妊活を中医学視点から考える〜おりものと体質〜

妊活を中医学視点から考える〜おりものと体質〜



妊活を中医学視点から考えるシリーズ。

今回はおりものと体質について。

現在の体質を図る目安、体質改善の進み具合などの参考に、おりものの状態を聞いたりもします。

おりものは、ホルモンの分泌が盛んな20~30代に量が多くなりますし、生理周期に合わせても変化していきます。

そして40代を迎えるころから閉経に向けて、女性ホルモンの分泌が低下に伴って、量も減少していき、閉経後には極端に少ない量のおりものしか出ません。

その為、生殖器のうるおいや弾力が減り、性行為などの刺激で炎症を起こしたり、痛みを感じることがあるんです。

おりものが変調する主な疾患として多いのが感染症なんですけど、外陰膣カンジダ症、膣トリコモナス症、淋菌感染症、性器クラミジア感染症が有名でしょうか。

また、子宮頸がん、子宮頸管ポリープ、子宮頸管炎、子宮膣部びらんなどの子宮の疾患によってもおりものの量や臭いなどが大きく変化することがあるんです。

では具体的には、どのように体質をみていくるのか、いくつかのタイプを挙げてみたいと思います。

まずは脾虚タイプ。

このタイプのおりものは量が多い・白っぽい・臭いは強くないのが特徴です。

原因としては消化機能の低下が考えられます。
不規則な食事、疲労、ストレスなどが原因で脾胃の機能が低下すると、水分を全身に運ぶことができなくなってしまい、その結果、体内に余分な水分や汚れが停滞し、「湿邪(しつじゃ)」が生まれます。
脾虚タイプのおりものは、このように発生した体内の湿邪が、身体の下部に集まっている状態なんです。

おりものの量が多い以外にも、疲労感、食欲不振、下痢、むくみなどの症状が現れている事もあるんです。

余分な湿を取り除く為の運動習慣、それと同時に弱った脾胃を健康にしていく食事の見直しが必要ですよ。


次は腎虚タイプ。

このタイプのおりものは量が多い・色が薄く水っぽいのが特徴です。

腎のパワーが弱く、陽気が不足していると起こります。
腎は生命活動の源、妊娠にも深く関わっている臓腑です。

腎は加齢よっても機能が自然と衰えていったり、慢性疾患による消耗から働きが弱くなることもあります。
このような原因で腎の陽気が不足すると、陰邪である湿邪が発生し、不快なおりものの原因になってしまうんです。

腎の機能が弱くなると、身体に必要な水分を体内で留めておく力が不足し、おりものの量が増えてしまいます。
このタイプは比較的更年期に見られることが多く、冷え性、腰痛、めまい、耳鳴り、物忘れ、夜間の頻尿といった症状を伴うことが特徴といえるかもしれません。

疲労の蓄積、睡眠不足が続くと腎を痛めていまいますので、ストレス発散、良い睡眠を確保して下さいね。

最後は湿熱タイプ。

このタイプは色が黄または赤っぽい・粘りがある・臭いが強いおりものになりやすいです。

湿邪は体内に長く停滞すると熱が発生し、湿熱へと変化してしまいます。

また、湿熱は生理期間中や妊娠期間中に発生することもあります。

また、下腹部や陰部の痛み、微熱、口の乾き、口臭、尿の色が濃い、便秘気味といった症状を伴うことも特徴。

体内の湿熱を取り除くためには、しっかりと血液を循環させる事、便通を良くするなどの解毒を考えることが大切になってきます。


おりものは免疫力の低下も根本的な原因となるので、

まずは、

十分に睡眠をとる。

バランスの良い食事を心がける。

運動習慣をつける。

不快なおりものの症状を解消するためにも身体の中から改善していくことが大切です。

これは卵子の質の向上にも言える事ですよね。

おりものが気になるときは、通気性の良い綿素材の下着を選び、なるべく蒸れを防ぐようにしてください。

体質改善の目安として参考にしてみて下さいね。



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