院長のひとり言

妊活を中医学的視点から考える

妊活を中医学的視点から考える



妊活を中医学的視点から考える
〜人によってやるべき事は違う〜

不妊治療を受けているとどうしても隔たっていく西洋医学寄りの考え方。

先進的な不妊治療を否定したいわけではないのですが、妊娠できないカップルにはそれぞれと事情も環境も異なります。

現在の生殖補助医療では超えられない壁がある事も事実なんです。

西洋医学は疾病を人から切り離し、その要因のみを理論的、データ的に追求し、治療対象としています。

けど、不妊は病気でも疾病でもありませんよね。

そこのスタート位置が間違ってしまっている為に最大限の効果が発揮されていないのも事実なんです。

赤ちゃんが欲しいのに妊娠できないという不妊、妊娠の準備が足りていない未妊の状態って単一の問題、要因が引き起こしているわけではないんです。

ホルモン値が乱れているからと、そこを合わせるだけでは何も変わりません。

人工授精が必要ない人に対して、ステップアップと言う名の下で何回も行うことも必要ありません。


人の体は自然の一部です。

妊娠もまた、自然の営みの延長線上にあるものです。

中医学では人を単一の物として捉えず、天人合一思想というものがあります。

天人合一の「天」とは大宇宙・大自然のことで、「人」とは小宇宙・小自然のことを表しています。

自然界の気の動きや変化の法則は、それはそのまま人間にも当てはまるという考えです。

人は季節の中での季候の変化、仕事や生活習慣、感情や疲労、ストレスなど、心身に及ぼす要因は様々に存在します。

人それぞれに個人差があるように、不妊症という結果は同じでも、不妊症になっている原因は異なります。

また、不妊だった原因は同じでも、妊娠する人、しない人がいるように結果は異なることもあります。

これを中医学での病と治療に対する表現として『同病異治』『異病同治』といいます。

個々それぞれに異なった病因があり、それらへの対処は全て異なったものとなるという考えです。

中医学的な考えを取り入れてみると、体の一部に現われた症状(不妊症状)は体全体の働きのゆがみ、乱れと考えることができます。

このゆがみ、乱れを正すには、もともと体に備わっている自然治癒力、自己治癒力を高める必要があるんです。

これが結果的に妊娠力に繋がっています。

だからこそ、一般常識に隔ったり、周りと同じことだけをしていては回り道になってしまうんです。

一人一人の体質や病態に応じて治療していくのが本来の中医学の特徴です。

いくら不妊治療の回数を行なっても、人によって不妊を引き起こしている要因が解決されていなければ思うような成果が出ないこともあります。

例えば、睡眠不足の人、過度のストレスを受け続けている人、お酒の飲みすぎや喫煙などの生活習慣が体の負担になっている人、運動をまったくしない人、結果は女性ホルモンの分泌バランスが乱れたり、婦人科の疾患として妊娠しにくい体質ですが、改善点は人それぞれ違いますよね。

妊娠力をより高めるためには、その人にあった体質改善、必要な事を見極た妊活が必要なんですよ。

参考になれば嬉しいです。


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