院長のひとり言

不妊治療を成功させるには?

不妊治療を成功させるには?



不妊治療の成功率は30%以下とも言われていますよね。

病院に言われる通りにステップアップしていれば、

自分は30%の体外受精の成功に入る、

回数を重ねていれば妊娠できるはず、

そんな風に漠然と思っていませんか?

不妊治療を成功させるにはただ病院で治療を受けるだけでは不十分な事が多いんです。

実際に体外受精を受けた事がある人なら少なからず感じている事だと思います。

では具体的に何が足りないのか。

根本的には不妊になっている体質を変えなくてはならないのですが、その鍵となっているのが卵子の質。

卵子の老化によって不妊になるという事は、最近ではよく耳にするようになりました。

では老化の犯人は年齢ですか?

卵子の質、老化のスピードを決めているのはミトコンドリアの質になります。

そもそも妊活とは卵子の質の向上、ミトコンドリアの活性化を目標とした体質改善だと考えています。

ミトコンドリアは、食事から摂取した栄養と、呼吸から得られた酸素を使ってATP(アデノシン三リン酸)というエネルギーを放出する物質を作り出します。

このエネルギーを大量に必要とするのが卵子なんです。

とは言え、年を重ねるについて、ミトコンドリアの量は次第に減っていくのも事実です。

しかし、老化を加速させている、卵子の劣化現象を引き起こしているのは乱れた生活習慣なんです。

今まで知らず知らずに過ごしていた乱れた生活習慣を続けていると、ミトコンドリアの数が減り、ATPを作る力が落ちるため、疲れやすくなったり、回復力が落ちたり、卵子の質も低下してしまいます。

乱れた習慣は続いていればいるほどミトコンドリアは数だけでなく、質も落ちてしまいます。

体では古くなったミトコンドリアは壊され、新しいミトコンドリアが作られる、オートファジー(自食作用)というものが働いています。

この機能が衰え、老朽化したミトコンドリアが増えていっていまいます。

古くなったミトコンドリアは活性酸素を大量に出してしまいます。

細胞を酸化させる活性酸素は老化の原因とも言われ、妊活には大敵の1つなんです。

もともとミトコンドリアはATPを作るときに副産物として活性酸素を出しているんですが、古いミトコンドリアはATPを作る能力が衰え、活性酸素を出す量が増えてしまいます。

若くて元気なミトコンドリアは利用した酸素のうち活性酸素になるのは1%程度ですが、老朽化したミトコンドリアは5%くらいを活性酸素にしてしまうとも言われています。

ではミトコンドリアの質と量を劣化させる乱れた生活習慣とは具体的に言ってなんなのか。

これは運動不足、過食、睡眠不足の3つが大きいんです。

運動不足になると細胞内でATPが余ってしまいます。

そうすると、ミトコンドリアから電子が漏れ、酸素と反応して活性酸素になってしまいます、

ATPが使われないと必要性を感じなくなった体はミトコンドリアの数を減らし、オートファジーも衰えて質も悪くなってしまいます。

その結果、さらに活性酸素を発生させて体の老化が加速してしまいます。


過食のメカニズムは少し難しいのですが、ポイントとなってくるのはAMPK(AMP活性化プロテインキナーゼ)という飢餓状態で働く酵素にあります。

満腹になると、この酵素の働きが抑えられてしまうんです。

ミトコンドリアはPGC1αというたんぱく質が活性化されることで作られるのですが、AMPKが働かないとPGC1αの働きも抑えられ、ミトコンドリアが作られなくなってしまうんですよ。

睡眠不足の時は特に注意が必要です。

食欲をうながすグレリンというホルモンが増え、逆に食欲を抑えるレプチンというホルモンが減るので食欲が高まって過食になってしまいます。

睡眠不足が続くとホルモンバランスを崩してしまうだけでなく、過食を助長してしまうんです。

睡眠不足の時はカロリーを控えめにして、野菜と良質なたんぱく質をとることを心がけてみて下さい。

不妊治療の成功率は自分で上げる事ができます。

妊活は卵子の質を高める事が目的であり、運動、睡眠、食事の3つ全ての習慣を変える事が必須になります。

参考になれば嬉しいです。


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