皆さんは妊活において、腎臓の働きを高める事が質の良い卵子を作る事につながると言ったら驚きますか?
尿をつくるのが仕事の地味な臓器と思ったりしてませんか?
確かに、腎臓の一般的な印象は尿を作るって事ですよね。
ところが、ふだんあまり意識しない腎臓が不妊体質を改善する鍵になっているんですよ。
腎臓は、あなたの妊娠を左右する、人体の隠れた要でもあるんです。
卵子の質を決めるのはミトコンドリアの量と質だという事はよく、お伝えしていますよね。
そのミトコンドリアに大切な血液中の栄養と酸素を腎臓がコントロールしてるんです。
では尿をつくるのが仕事と思われる腎臓が、なぜ血液中の酸素量や血圧と密接に関係しているのか。
まず腎臓で尿がつくられる仕組みから解説していきますね。
腎臓の内部にはネフロンと呼ばれる独特な構造がいくつも存在しており、そこで老廃物などを含む血液がろ過されて、きれいな血液に生まれ変えているんです。
その時、不要なものとして体外に排出されるのが尿です。
妊活の必須項目として水飲みをアドバイスしていますが、それはこのサイクルを繰り返す事で体内のお掃除をして欲しいって事なんです。
デトックスという言葉をよく聞きますが体での体内のデトックスは排尿、排便でしかできません。
いくら汗をかいても老廃物は出ていかないんですよ。
話を戻しますが、血液をろ過して尿をつくる際、実は同時に巧妙な仕掛けによって血液の成分調整が行われているんです。
実は腎臓の本当の目的は、尿をつくることではなく、血液の成分を厳密に、そして適正に維持するという事なんです。
血液の管理者という側面を持っているんですよ。
いま、体にどんな成分がどれだけ必要なのか。
再吸収を行う際、腎臓はさまざまな臓器から情報を受け取って、血液の成分を絶妙にコントロールしています。
まさに「人体ネットワーク」の要ともいうべき存在です。
肝腎要の腎ですね。
だからこそ、腎臓の異常が全身のほかの臓器にも悪影響をもたらし、逆にほかの臓器で異常が起きると、その影響が腎臓に及びます。
また、体内に酸素が足りなくなると、それを察知するのも腎臓なんですよ。
体内の酸素分圧が低くなると腎臓はエリスロポエチンという物質をさかんに放出します。
これは赤血球の産生を促進する造血因子の1つで、酸素がほしいという腎臓からのメッセージを全身に伝える伝達物質、メッセンジャーなんです。
エリスロポエチンは血液の流れに乗って全身に広がり、骨に受け取られます。
骨の内部、骨髄では酸素を運ぶ赤血球がつくられています。
ここにエリスロポエチンが届くと赤血球が増産され、体中に効率よく酸素を運べるようになるんです。
体内に効率よく酸素、栄養が回る事でミトコンドリアがしっかりとエネルギーを作る事ができ、結果的に卵子に充分な栄養が届くようになるんです。
地味に尿を作ってるだけと思ってた腎臓を整える事が妊娠体質に近づくって意味が少しわかってもらえましたか?
実は中医学でも腎臓≒腎は妊娠に重要な役割を担っています。
腎は生殖器系、ホルモン系、中枢神経系、造血系などの機能を含んだ生命エネルギーの貯蔵庫と考えられています。
成長と発育、排卵や生理などに深い関係がある器官なので、腎の機能が低下すると慢性病や更年期障害、不妊などがおこりやすくなります。
また、腎(裏)と膀胱(表)は表裏関係にあり、尿量の調節や排泄など、膀胱の機能に影響を与えるんです。
中医学的な腎の働きをまとめてみると、
・生命エネルギーの貯蔵庫
・全身の成長と発育を促進する機能を持つ
・排卵や月経、精子、妊娠などの生殖機能を司る
・体内の水分を管理して尿を排泄する(泌尿器系)
・空気を深く体内に吸い込む納気作用を持つ
という事になります。
中医学でも西洋医学でも妊娠には腎臓、腎が大切って事がわかりましたね。
水を飲む回数をどんどん増やしてトイレにいっぱい行ってください。
水を飲む量を増やす事で腎臓をしっかり使い、体内のバランスを整えてみて下さい。
妊活の参考になれば嬉しいです。
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