院長のひとり言
妊娠しやすい体作り ~腎と味噌の関係~
妊娠しやすい体質への改善、
マタニティから産後ケア、
女性の健康と美容のライフサポートをする いとう鍼灸院 伊藤です。
本日のテーマは『腎と味噌の関係 ~味噌汁を飲もう!!~』
1日2回味噌汁のすすめ!
東洋医学の考え方に五味というものがあります。
肝-酸味
心-苦味
脾-甘味
肺-辛味
腎-鹹味(かんみ)
と五臓に対応した味があります。
妊娠に関連が深い腎は鹹味に対応した臓腑になります。
「鹹味」って、あまり馴染みのない言葉ですよね。
これは塩辛い味・塩っぱい味のことです。
しかし、現在の食塩・純度の高い塩化ナトリウム(NaCl)の味を指すのではなく、天然の自然ミネラル含む塩と考えてください。
塩は取りすぎるとよくないといっても正しくは「科学薬品のような塩化ナトリウム」、いわゆる精製塩を摂ることが問題です。
天然塩、天日塩、昔ながらの製法で発酵させ、作られた味噌や醤油などの鹹味は腎を補う優れた調味料です。
元々、塩辛いものは体を温める作用が強く、体温を上げるためには必要なんですよ。
「減塩こそ健康!」
というような風潮がありますが、実は冷えやすくなっている人はここにも原因があるかもしれないんです。
寒さに弱いという人は『腎』が弱っているのかもしれません。是非、鹹味を補ってみてください。
食べ物ではミネラル塩である味噌・醤油(添加物の入っていない長期熟成のもの)の他、海のもので脊椎動物(魚類)以外のもの、たとえば貝類、蟹、ナマコ、海草、昆布などはとてもいいんです。
味噌汁に海藻や貝類の組み合わせは最高ですね!!
ただ、鹹味の食物を取りすぎると「腎」が抑制される関係に位置する「心」に負担がかかり、血のめぐりに影響が出てきてしまうので取りすぎは注意が必要です。
腎と相克(抑制)の関係にある心の働きを補う為には鹹味の食物とともに、苦味の食物を一緒に食べるようにすると効果的です。
例えば、フキ、タラの芽、春菊、筍、ゴボウ、ほうれん草などを具材にするとバランスがよくなりますよ!
天然の食塩であれば苦味の「にがり」が含まれていますので、是非、精製されていないものを選んでくださいね!
天然の食塩は腎と膀胱の働きを補いながら、相克の関係にある心の負担をやわらげることができるわけです。
味の相剋の関係からいうと、塩辛すぎたものには甘味を足せば和らぎます。(味噌汁に芋類(甘))。
苦いものには鹹味を足せば苦さが薄れます。(ゴーヤ(苦)に塩豚)。
甘いものには苦味(和菓子にお茶)。
味の不思議な三角関係!
古典の知恵ですね!
お味噌汁や味噌仕立てのお鍋で『腎』を補ってみてください。辛味を加えるといっそう温まりますよ。
そして鹹味の働きには、「潤す」働きと「軟らかくする」働きがあります。
塩分を取ると筋肉は柔らかくなり
フワッとして締りがなくなります。
もちろん、妊娠に大事な膣周りも筋肉の塊ですから効果はバッチリですよ。
是非、バランスよく鹹味を取ってみてくださいね!
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